なんだかむつかしい言葉に聞こえますが、海のサンゴや貝殻またはニワトリの卵にも多く含まれる成分が固まってできた石なのです
そのおもな成分は、炭酸カルシウム(化学名では、CaCO3)、きれいな大理石やグラウンドに線を引く消石灰なども石灰石の仲間です、英語では「ライムストーン」と言います。
この石灰石は、日本国内で100パーセント作ることができる大切な鉱物資源です。
石灰石は、道路やビルを作る時に必要なセメントの原料として使われるほか、鉄を作る時にも必要な大事な材料です。またハミガキ粉や乾燥剤など日用品にも幅広く使われています。なんと甘い砂糖を作る時にも使われているそうです。このように、石灰石はとても身近で大変大切な鉱物資源なのです。
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津久見の石灰石には「カルシウム成分」が多く含まれているため、とても質の高いセメントなどを作ることができます。
そんな良い石灰石が年間に約3000万トンも生産され、さらに埋蔵量は約40億トンと言われています。また、鉱山から工場、そして出荷するための港までの距離がとても近いため、石灰石を運ぶための費用を安く抑えることができる特徴もあります。まさに津久見は、「日本一の石灰石の町」なのです。
日本一の津久見の石灰石は、江戸時代に発見され採掘が始まったと伝えられています。
市内には「1767年に真関玄如和尚(しんかんげんにょおしょう)が、門前村(もんぜむら)の朝日寺(しょうにちじ)にて石灰焼(いしばいやき)の技術を発明した」との記録が残っています。
大正5年に鉄道が開通すると、その生産量は飛躍的に増えて、その後日本の近代化に大きな役割を果たしてきました。
そして今なお津久見市を支える重要基幹産業として、多くの市民の暮らしに深く関わっています。
リアス式海岸にある津久見の港は水深がとても深いのが特徴です。
そのため、6万トンクラスの大型船が接岸して、一度の多くの石灰石やセメントを運ぶことができます。
バースと呼ばれる埠頭で積み込まれた石灰石やセメントは、日本国内では、関東や関西方面、そして沖縄などに運ばれます。
また、フィリピンやオーストラリア、中国、そしてアメリカ、アフリカなど世界中の港にも運ばれていて、それぞれの国で道路や橋、ビルディングなどを作る材料として使われています。
津久見市徳浦にある丸京石灰さんでは、明治時代の創業当時から100年以上経った今もなお、石灰石を焼くために同じ窯を使い続けています。
昔ながらの希少な伝統製法により作られた石灰は、歴史的建物の白壁に使われる「しっくい」などとして全国各地で重宝されています。
ここは大分県津久見市にある石灰石鉱山です。
アメリカ・グランドキャニオンと見間違うような景色は広大で、大きな重機がまるでミニカーのように見えます。
採掘された石灰石は、立坑と呼ばれる穴から地下に掘られたトンネルに落とされます。
そしてセメントなどの私たちの身近なものに姿かたちを変えます。
石灰石はベルトコンベアで工場まで運ばれます。
津久見市内には、鉱山から工場、そして港に繋がる、とても長いベルトコンベアが張り巡らされていて、津久見市の象徴的な風景にもなっています。
石灰石は英語で「ライム」と言われますので、まさにライムストーンラインと呼ぶことができます。
工場に運ばれた石灰石は、土や珪石などを混ぜられたあと、キルンと呼ばれる大型の回転窯で焼かれます。
そこで作られたものがセメントの元となるクリンカです。
キルンの中は、1450℃の高い温度になっていて、石灰石も溶けて真っ赤な溶岩のようなクリンカになります。
キルンでできたクリンカは、さらに石こうと混ぜられたあと、セメントミルという大型のミキサーで粉々にされます。
セメントミルには、こぶしぐらいの大きさの鉄の球がたくさん入っていて、これで原料の石灰石が細かくされます。
粉になったセメントは、それぞれの使い道に合うように成分を調整されて製品になっていきます。
石灰石の鉱山では、たくさんの
大きな機械が働いています。
VRで体験しよう!
大分太平洋鉱業 株式会社
株式会社 戸髙鉱業社
日鉄鉱業 株式会社 大分事業所
大分鉱業 株式会社
- セメント
太平洋セメント
株式会社 大分工場 - 生石灰・消石灰
古手川産業 株式会社
- 乾燥剤・品質保持剤
株式会社 鳥繁産業
- 漆喰(しっくい)製品など
株式会社 丸京石灰
- 生石灰
太陽化学工業株式会社
- 生石灰
株式会社ニューライム
大分県石灰工業会
- セメントを使って
まちをつくる・まもる津久見市
工業連合会大分県建設業協会
津久見支部 - 石灰を使って土壌改良津久見の
みかん農家 - カルシウム豊富な海津久見の漁師
- 海と大地の恵津久見の飲食店・
お土産店